不具合が起きている環境
機種:TS-269 Pro
旧ファームウェア:4.3.4.1029
新ファームウェア:4.3.4.2351
Windows10によるファイル共有およびMacSMBによる共有がゲストで接続出来なくなった。
旧ファームウェア時はゲストログイン出来ていたが、新ファームウェア後はゲストログインが出来なくなった
設定確認
- コントロールパネル→権限設定の「共有フォルダー権限の編集」にてゲストログイン可能ファイル(フォルダ)がeveryoneで読み取り/書き込みにチェックが入っている事を確認
- コントロールパネル→ネットワークサービスとファイルサービスの「Microsoftネットワーク」にて「Microsoftネットワーク向けのファイルサービスを有効にする」にチェックが入っていることを確認
- 「Microsoftネットワーク向けのファイルサービスを有効にする」を外して適用ボタンを押し、再度、チェックを入れて適用ボタンを押して見る(ファイル共有サービス再起動)
これらの確認をしても、ゲストログインが出来ない
調査
Appleネットワーク(AFP)ではゲストログイン出来る事から、Windows共有のサービス(Samba)の設定が悪いのだろうと推測
- SSHでQNAPにログイン(接続方法は割愛)
- Sambaの設定ファイルは/etc/smb.confだがシムリンクにより/etc/config/smb.confが設定ファイル
- /etc/config/smb.conf内を確認 globalセクションやゲストログインフォルダセクションに"guest ok = yes"を確認
不具合箇所
smb.conf内のglobalセクションに"invalid users = guest"が入っているのが原因
- smb.conf内の"invalid users = guest"の行を削除し、Sambaを再起動してみる
- Sambaの起動/再起動スクリプトは/etc/init.d/smb.sh
# /etc/init.d/smb.sh restart
- 本来ならば、この設定でゲストログインが可能になるはずだが、Samba再起動後に/etc/config/smb.confを確認してみると消したはずの"invalid users = guest"が再度、挿入されていた。
(ちなみに、設定ファイルの確認はtestparmのコマンドでも可)
対処・解決方法
ファームウェアを古いバージョンにロールバック(ダウングレード)してみる ただし、修復されない場合もあり、他の機能にも弊害が出る可能性があるので非推薦
QNAP管理画面より
- 「コントロールパネル」
- 「ネットワークサービスとファイルサービス」
- 「Win/Mac/NFS」の「詳細オプション」を押し、「匿名ユーザーをSMB共有フォルダにアクセスすることを制限する」を無効に設定
- この設定でほぼ解決されると思われる
- 「ネットワークサービスとファイルサービス」
- 「コントロールパネル」
「匿名ユーザーをSMB共有フォルダにアクセスすることを制限する」の項目が表示されない場合(私はこれに該当)
- QNAPへSSHログイン
- /etc/init.d/smb.shのバックアップを取り、773行目辺りの下記一行を編集する
/sbin/setcfg global "invalid users" "guest" -f ${CONFIG} ↓ /sbin/setcfg global "invalid users" "" -f ${CONFIG}
最後にsmb.sh restartで再起動し、testparmでglobalセクションに、“invalid users = guest"がない事を確認し、Sambaで接続してみる
注意点
上の対象3.では、今後ファームウェア更新されると、修正したsmb.shが元に戻されると思うので、同不具合が起きる場合には再度修正が必要となる 今後のファームウェア更新でバグがフィックスされることを期待
参考
今回の不具合に関して、参考になった記事
- 価格.com - 『ファームを上げると、ゲストユーザーが無効に』 QNAP TS-231P のクチコミ掲示板
- QNAP NASでGuestアクセスができなくなる :: 大正区の街の電気屋さん「おかもとでんか」
- Unable to access NAS as guest following firmware update to v4.3.6.0979 - Page 3 - QNAP NAS Community Forum